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Road to ヤクーツク

ロシア留学 応援します

近い夢、遠い夢。

雑感

 

 

晴れ渡った空に、

飛行機が雲を引きながら一直線に飛んでいくのを見たら、なんだか複雑な気持ちになった。

 

申請もひととおり済んだようだし、長男、本当にロシアに行くんだな...

 

 

 

 

※ ※ ※ 

 

ごく稀にだけど、

飛行機に乗ってロシアに行く夢を、今でもまだ見ることがある。

実際には行ったことがないせいか、いつも飛行機に乗るところで終わり。

あれー、パスポートっていつ作ったんだっけ?とか、

大学に届け出したっけ?とか、

こんなに荷物少なくていいのかなぁ?とか考えて焦ってる。

 

なんか変な飛行機。

小さくね?

ホントにロシアまで行けるのかな。

バス停に止まってるし。

なんか変だなぁ...

 

 

って終わる。

 

 

 

 

行きたかったなぁ。

私も行きたかったんだよ。

お金さえ貯まればね。

 

奨学金とバイトで、何とかギリギリで生活して、

結局、留学するなんて夢のまた夢だった。

卒業するので精一杯だった。

 

せめて旅行だけでもしたかったけれど、それすらも無理だったな。

もう20年以上前だ。

あのころはまだ、モスクワで一週間過ごそうと思ったら、100万ぐらいは必要だった。

 

友人たちはよく海外に旅行したり、中には留学した子もいたけど、

なんでそんなにお金があったのかなぁ。

絶対に私の方が稼いでたけど。

絶対に私の方が勉強してたけど。

ふしぎ。

本当にふしぎ。

 

 

 

 

 ※ ※ ※

 

 

愚かにも落ち込んでしまった時は、田舎の両親のことを想うにかぎる。

 

厳しい土地で農業をしながら、じいちゃんばあちゃんの面倒を見、私たち姉弟を育てた両親。

のんびり自分の時間を過ごすところなんて、見たことがなかった。

昼も夜もなく、常に働いていた。

 

進学させてもらい、実家には帰らずに、核家族で好きなように生活している私の人生は、彼らに比べたら、まるで初心者コース。

難易度のレベルが違う。

自分の小ささが恥ずかしい。

 

 

酷暑や水不足を耐え、

台風や猛吹雪を耐え、

作物を育てて 収穫に喜びを見出し、

笑って生きていく力を持っている。

 

私には彼らの血が流れているのだから、

彼らの不屈の姿勢と慈愛とを継承しているはずだ。

 

 

 




 

『お母さん、長男ね、ロシアさ行ぐんだって。』

 

『ロシア?? お前もロシアさ 行きてがったんじゃねがった?』

 

『んだ。』

 

『.....似るもんだな。』

 

『うん...』

 

 

 

留学のための奨学金がもらえる可能性があることを話すと、母はすぐに、チャンスがあるならば行かせてやれ、と言ったっけ。

お前みたいに行かないで終わってしまうから、とも。

 

ひょっとして母は、私が留学できなかったことを、気に病んでいたのかもしれない。

今、初めて気が付いた。

 

そんな昔のこと...

私が勝手に調子にのっただけなのに。

両親に助けてもらおうなんて、これっぽっちも思ってなかったのに。

 

 

でもそうか、もし子どもの希望を手伝ってやれなかったら…

両親はつらかったのかもしれない。

いや、つらかったに決まってる。

あーあ、もう!

私、大バカだよ…

 

 

 

 

 

ってことはさ、これ、

長男が留学するっていうのはさ、

父と母のやりたかったことも、ちょっと乗っかってる?

 

 

すごくない?

なんかすごい嬉しい。

 

 

 

 

『ところでなんでロシアなのよ?』

 

『なんでだべねぇ…?』

 

『ロシアのどごよ? モスクワが?』

 

『いや…もっともっと東の方。ま、シベリアだな。』

 

『はぁ? シベリア⁉︎  なしてまだ、そんな寒いどごさ…』

 

『…んだって本人が行きたいって言うんだもの。』

 

 

 

だって本人が行きたいって言うんだもの。

 

俺は行ってみたいんだって言うんだもの。

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

行け行け、行ってこい。

じゃんじゃん行ってこい。

あー おもしれぇ。これだから面白いよね。

次は何があるんだろ。

何につながるんだろ。

 

お父さん、お母さん、

びっくりする何かが、まだあるかもよ。

次男も何か、やらかすかもね。

 

 

 

ますます面白くなってきた。

なんか いい気分だなー

空が本当に青くて気持ちがいい。

飛行機雲が、どんどん伸びて行く。