Road to ヤクーツク

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帰国

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狭い。

 

長男が帰ってきて、我が家は久しぶりに4人が揃った。

 

 

マジで狭い。

狭いんだよ。

どいつもこいつも大きくなりやがって。

うちには子供が二人だと思っていたのに、いつの間にか大人が4人になっている。

 

広げっぱなしのスーツケース。 

面白おかしいお土産の数々に、繰り出される写真。

際限なく広がっていく会話。

部屋は異国の匂いと大きな声に包まれて、私は何だか窒息しそうだ。

 

 

 

約10カ月の留学だった。

玄関に現れた長男は、私の知っている長男のまま。

 

何の違和感もなく、懐かしさもなく、いつものように帰ってきた。

大きくなった弟の背丈に驚きながら、少し照れたような表情だった。

 

 

そっか、変わりないか。

元気そうだ。

良かった...

 

 

 

結局迎えに行けなかったな。

だいたいなんで平日に帰って来るんだよ。

仕事休めなかったし、ゆっくり話も聞けないじゃないか...

 

 

 

長男のスーツケースからは、色んな思い出が次々と出てくる。

 

 

じいちゃんばあちゃんに電話をする。

友人たちに連絡をとる。

弟の成績を聞く。

洗濯物を出す。

 

 

何かが変わったような

何も変わっていないような

 

 

 

明日からは急激に日常に戻っていくのだろう。

私がこの一年を惜しむ気持ちよりも、

なお強い感情があるに違いない。

そっと諦めて、経験を熟成し、自分の力にしていくんだろう。

特別な時間だったね。

貴重な時間だったね。

 

お帰りの乾杯をしたとき、

小さい声で ありがとうございました と言った。

お前のそういうところ、お母さんは嫌いじゃないね。

 

 

 

我が家の男どもはなぜ 甘い酒を飲むのか。

甘ったるいチューハイの匂いで頭が痛くなり、私はそうそうに布団に入ることにする。

あんなクソ甘いもの、よく飲めるよな。

だいたいロシアはウォッカじゃねーのかよ。

 

旦那と長男は、なにやら二人で話をしている。

私は布団に入ったものの、どうせしばらくは眠れないだろう。

 

 

 

 

 

 

あのな、長男。ホント言うとな、

この一年、私の変化の方が大きかったかもしれないよ。

 

だいたい、あなたが留学するなんてこと自体が、私にとって奇跡のようなものだった。

でもそれだけじゃない奇跡が、私に何回も起こったんだよ。

私の世界は限りなく広がった。

私の世界は、一年前よりも確実に美しくなった。

 

誰にもどこにも属さないで新しい名前を名乗ったことで、私は初めて一人きりで物を考えたのかもしれない。

自分の中にある衝動に気が付いたのかもしれない。

 

ささやかなことに潜む力の大きさを知った。

爆発的な感動を知った。

心配することの幸せを知った。

さみしさが暖かいことを知った。

人の想いが遠く届くことを知った。

 

この一年、

私は誰よりも幸せで、誰よりも幸運だったと思う。

 

私の中にはいくつもの核ができた。

その一つ一つには素晴らしい力があって、

生きていく助けになると感じている。

 

あなたもそんな核を、一年がかりで育てたのでしょう。

私には分かります。 

その貴重さに気が付く時がきっと来ると思う。

気が付きさえすれば、世界は案外簡単に変わるのかもしれません。

 

 

無事に帰って来てくれて本当にありがとう。

私は誰に感謝すればいいだろうか。

 

あなたが出会った全ての人に。

お世話になった全ての人に。

あたたかい気持ちをいつも届けて下さったみなさんに。

 

深謝します。

ありがとう。

ありがとうございます。

私の気持ちが伝わりますか?

親愛なる皆さん、ありがとうございます。

 

今日は 幸せをかみしめて眠ります。

 

ありがとうございます。

 

おやすみなさい。

 

 

志月

 

 

 

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